大腸内視鏡検査
●大腸がんを早期発見するための大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査(だいちょうないしきょうけんさ)。
大腸内視鏡検査はファイバースコープや、先端にCCDと呼ばれる固体撮影素子(こたいさつえいそし)を搭載した電子スコープを用いて、直接、消化器粘膜を観察する方法です。大腸内視鏡検査は胃の内視鏡検査と同じで、大腸と直腸の異常を直接目で見て診断することが出来るのが大きな特徴です。直接目でみることが出来るので、レントゲン等で間接的に見るよりもガンやポリープ発見の確率が非常に高くなります。
●大腸内視鏡検査の有利性
大腸内視鏡検査では、ポリープや大腸がんの腫瘍の位置や大きさだけではなく、病巣の拡がりや表面の形状、盛り上がっているのか(隆起・りゅうき)へこんでいるのか(陥凹・かんおう)、色の様子、ポリープやガン病巣の数や、病巣の深さ(ある程度の深達度・しんたつどまでしか調べられません)が判断できます。
※色素内視鏡検査と呼ばれるもので、発見困難な凹凸のない病巣は色素と呼ばれる染色液を使って探す方法もあります。
内視鏡の長所がポリープやガンを直接観察できるということであるなら、もう1つの内視鏡検査の大きなメリットは、大腸の中を内視鏡で観察していて疑わしいと思われるところを発見したときは、その場で直接細胞を採り(生検:せいけんと呼びます)、組織の一部を取り出して顕微鏡でその細胞の検査(病理検査・びょうりけんさ)ができるので病気の判定にとても役立っているのです。さらにはポリープやガンの病変部分を切除する治療方法ポリペクトミーができることにあります。しかし大腸でのポリペクトミーは、食道や胃、十二指腸の場合よりも難しいのです。伸ばすと人の身長ほどもある大腸は、太い部分と細い部分が交互にあったり、折れ曲がっていたり、ねじれたりしているところが多いので、小さな内視鏡といえども腸の中に入れて観察したり、ポリープを切除するのはとても困難なのは当然です。大腸内視鏡の操作をきちんと習得するには、それ相当の訓練、経験が必要なのです。
そんな大腸に対し、短く、折れ曲りが少ない食道や胃、十二指腸の検査は比較的簡単に習得し操作することが出来ると言えます。食道や胃、十二指腸でポリペクトミーをするときも、大腸の場合より少ないリスクで比較的簡単に行うことができ、内視鏡医であれば、誰でも行うことが出来るのです。
腸の粘膜には神経が走っていないので何の感覚もないはずなのに、大腸内視鏡の操作が難しいことから、あまり上手ではない医師に検査をされた患者さんが不快感や苦痛を感じることがあるのは、ひとえに医師の操作習得度が原因と考えることが出来ます。
●大腸内視鏡検査の流れ
?腸の中の便を出す。
腸の中には、健康な人で約一日分。便秘気味の人では二、三日分の便がたまっているので、大腸内視鏡検査をはじめる前に、事前に腸の中を空っぽにしておかなければなりません。通常は、当日に下剤を服用し、腸管洗浄液で腸のなかの残留物をきれいに洗い流します。
?肛門から大腸内視鏡を挿入し、腸粘膜表面の様子をモニターで観察する。
大腸がん、大腸ポリープ、大腸炎などの疑いがあれば、一部を採取し組織検査をします。
※進行型大腸がんの約80%は潰瘍型なので、潰瘍とそれを囲む堤防のようにガンができていることが目で見つけて発見することができます。
このように大腸内視鏡検査は、大腸がんを見つけるためにとても有効な検査方法ではあるのですが、反面全体像をとらえにくく、がんで腸管のなかが狭くなってしまっている場合は、大腸内視鏡を挿入することが出来ない場合もあるので、万能とは決して言えません。また、大きな腫瘤(しゅりゅう)型ガン(ぽっこりと大きく盛り上がった状態のガン)の場合は大腸内視鏡がそれに接触して傷付けてしまい、出血することもありのです。